父が脳梗塞で倒れる

先日、弟から、父が倒れて救急車で運ばれた、と電話があった。
この間、あんなに元気だったのに、なんで?と最悪の場合も考えたりしたが
その後の電話で、命には別状がなく、
検査もしたがそれほど悪くはないので2,3日で帰れるだろう、ということだった。

父は一人暮らしをしている。
少し離れたところに弟の家があるが、頑固に一人を続けている。
私も年に数回しか会わず、最近は耳が遠くなったので電話で話すことも少ない。
毎日、電車に乗って弟がやっている店に顔を出し、
そのあと、自分の買い物などをして帰る、という日課を続けていた。
一人にさせておくのは心配ではあるのだが
一人でやらなければ、という気持ちが80歳でもしっかりさせているんだ、と思ったりしていた。

しかし、いつかは一人ではどうにもならないときも来る。
今回、軽い脳梗塞ですんで、またもとの一人暮らしにもどったが
今までどおり、というわけにはいかないだろう、と弟がやいやい言う。
これからのことや入っている保険やお金のことなど
いまのうちにちゃんと聞いておいたほうがいいのではないか?
それを一緒に聞いてくれ、というので出かけていった。

行く途中、弟は
ずっと一人にしていたから、家は汚れているし、
物が散乱、山積みで足の踏み場もない、といっていた。
しばらく行ってないので、お化け屋敷に入るようなつもりで行ったのだが
確かに経年変化で壁や床、家具、は傷んできているが
居間も台所も洗面所もそれほど汚れているわけではなく
物の散らかりようも、うちのほうがすごいぐらいで、そこそこ片付いている。
2~3時間、目立つところだけを掃除したのだが、
一人の長い父にしたら、
置いてあるものは出来るだけ動かさないで欲しい、と思ったかもしれない。

人から見たら片付けたいものでも、その家で暮らす人にはそれなりの流儀がある。
父はそれを破られるのをすごく嫌がっているように思えた。
だから、我々が「ヘルパーをつけたらどうか?」と提案したとしても
絶対に同意するはずがない。
自分の生活のパターンを少しでも他人に犯されるのがいやだ、と思っているようだ。

これからも健康上の不安が増えてくるとは思うが、どうしても一人でやっていく、
一人でやれる、という。
弟は、うちに来るか?とか、自分達がここで一緒に暮らすか?とかも案を持っていたようだが
とてもとても、人といっしょにやっていく、という気はないようだ。

行けるところまで行ってみるか・・・・・
と私たちは父の好きなようにさせることにした。
まだしっかりしているうちに、
入院したり、介護が必要になったりしたときのために
保険とか、貯金とかのことを聞きたかったのだが
こんな時期にそれを訊くのはひじょうに言い出しにくい。
子ども達が財産を狙っている、なんてことは思いもしないだろうが、
自分の先が短い、もうじき、自分で管理できなくなる、みたいな不安を覚えるだろうから
結局、お金などに関することはまったく触れないままだった。

だけど、本当は、もし突然状態が変わったら後の者はすごく困る。
何がどこにあるか、どうなっているか教えておいて欲しいのだ。
私はちゃんと言っておこうと思っている。
保険なんてチャンと言っておかなければもらえるものももらえなくなるもんね。

しかし、そんなことも含めて
父はまだしっかり自分の意志があるのだから、何もかも好きなようにすればいいと思う。
言っておかなければ、と思うことは言うだろうし
今、自分からは何も言わない、というのは言う必要がない、と思っているからだ。

私たちは、父が何かして欲しい、といわれたらそうすればいい。
まあ、しばらくはこのままで様子を見ようか?
と弟と言って帰ってきた。

自分の最晩年はどんなんだろう?と漠然と思う。
いつかはそんなときが来る。
いろんな人の生き方を見ながら自分の過ごし方を考えていこう。
Commented by プリンより at 2011-06-07 11:49 x
nyanko先生 お父様 大変なことでしたね。
さぞ ご心配なされたことでしょう・・・
「命には別状がなく、検査も・・・」とのことなので、少し、ホッとしま
した。
5年前、ウチの父も生死に関わる状態で心臓バイパスの移植手術
を受けたことがありました。現在81歳になりますが、回復し以前と
ほとんど変わらない生活が送れています。糖尿病と軽い腎臓障害
もありますが、医療のおかげで、趣味の「東京散歩」にも元気に出
かけたり出来ています。(弟が若くして亡くなり、私が両親と同居しています)

先生のお父様の佇まい、ご立派ですね!
そういうかたなら、ご本人から何らかのアクションがあってからの
方が良いと、私も思います。
私は、母も大腸手術や数回骨折をしたりで、つい面倒を見過ぎ、
手助けし過ぎて、危うく本人たちの「大人としての自信」を、傷つけ
てしまうところでした。今は、「自負心を傷つけないために、極力面
倒をみないように!」努力?しています^^

お父様の1日でも早いご回復を、心から願っています☆





Commented by nyanko715f at 2011-06-12 22:07
プリン先生、こんばんは。お見舞い、ありがとうございます。
(お返事、遅くなって申し訳ありません)
プリン先生のお父様、お元気になられてよかったですね。
(それにしても弟さんが若くしてお亡くなりになったのはお辛いことですね)

うちも今のところ、心配なさそうですが、
しかし、これから何があってもおかしくない歳になったなぁ、
と弟達と話しています。

子どもにとっては「自分でやってくれる」というのはありがたいことです。
頼まれもしないことに手を出すと、却って本人の力を奪うような気もします。しかし、私たち自身には「ほったらかし」という自責の念もあり、でも、大事なのは「見守る」ということなのかなぁ、と思います。
親の気持ち、子の気持ち、それぞれその立場になってみないとわかりませんね。私もどのような老後を迎えたらいいのか、いろんな人の生き方を見せてもらって参考にしようと思います。
by nyanko715f | 2011-06-06 23:42 | 日常のつれづれ | Comments(2)

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