北海道旅行の話の続きをするはずだったのだが
きょうもTVで盛んに漢検協会のニュースを流しているので
漢検協会に、ほんの少し関わった者としてちょっとこの話をはさむ。
関わった、とはいえ、ほんの少しだけのこと。
もう10年以上前のことだが、一回だけ漢検協会の合宿に参加したことがある。
食事以外の時間、漢字のいろんな分野の講義がびっしりつまった合宿だったが
どの講義もすごく面白くて、まったく退屈もせず、2日間を過ごした。
そのころは研究員と称する一般の人たちが漢字に関する小論文を応募し、
それをまとめて1年に一回、冊子にして発行していたし、
また発表する研修会もあった。(今も実施されているらしいが。)
専門に勉強した人たちではなく、一般の人が自分の興味ある事柄を調べ上げるのだから
学術的には未熟かもしれないが
着眼点がより身近で、面白い発見がいっぱいあった。
私もそうだったが、漢検を機会に漢字の魅力を見直したし、
逆に、漢検がなければ、こんなにもつっこんで勉強しなかっただろうと思う。
「漢字音符字典」を発行された山本さんは漢検経験者の第一人者だが、
同じ思いをされていることだろうと思う。
漢検協会は、一生かけて興味を持てるものを掘り出してくれたのに
いったいどこでどうなってしまったのだろう?
私が受検したころに、準1級にも、1級にも
「合格捷径」という手引書(問題集ではない)があった。
(注:漢字必携、という参考書とは違う、これは今でもある)
これ1冊をマスターすれば(けっして楽にできるものではないが)
合格は間違いない、というよくまとめられた手引書だったので
後に受検する人に、この本は買ったほうがいいよ、と勧めたのだが
どこにも売ってない、という。
漢検協会にも問い合わせたのだが、もう発行されてないという。
なんで、あんなにすぐれた教科書をなくしたのだろう、と疑問だったが
そのころから、漢検の方針も変わってきていたのかもしれない。
今は、1級と準1級の問題集も合わせて一冊にしてしまっている。
1級と準1級、というのは出題の範囲もまったく違うし、
難易度も5~10倍も違うと思う。
それらを一緒くたにするのもおかしいし、
きくところ、今、採点でも疑問があるという。
受験者が増えたので、丁寧な対応が出来なくなっている、
などといわれればそれまでだが、
受検する人の熱意は今も昔も変わってないはずだ。
だいぶ前のことだが、久しぶりに会った高校の国語の先生に
漢検を受けた話をした。
「あんな、儲け主義の検定なんか・・・・・」と言われ、
自分の志を蔑ろにされたようで気分が悪かったが、
団体受検をさせるほうの立場として、漢検協会となにか揉め事があったのかもしれない
と今になって思う。
漢検協会は、今も十分、機能している部分もあると思うが
経営の不透明さの疑問や、あの理事長の対応の仕方を見ていると
熱心に勉強し続けている人の志を大いに裏切るようで
実に腹立たしい。
最初はもっと純粋に漢字学習を育てるはずだったと思う。
それが思った以上に人気が出ると、たいてい本来の機能を見失う、
というのは世の常、という気もする。
せっかくブームにまでなってきたのに
漢検協会が正常に機能しないようなことになったらとても残念だ。
早く綱紀粛正して、信頼して受検できる検定になってほしい。