ええ~~きょう、先日NHKで放送された「ちりとてちん」の外伝、
「まいご3兄弟」を録画しておりましたのをやっと見ました。
本編の中でも一番人気のあった四草(しぃそう)を主役に書いた40数分のドラマですが
これに田村亮が加わり、なんとも面白いものに仕上がっておりました。
舞台で鍛えられておりますので四草の虎之介くんは人を引っ張り込む力がありますな。
さて、この話、落語を好きな人ならすぐにお気づきでしょうが
「宿屋仇」という落語のネタを下敷きにしております。
小説や映画のネタはここで話すとまだ見てない方にお叱りを受けますが
落語なら話の筋がわかってもなお楽しい、ということで
きょうは宿屋仇を簡単にやらせていただきます。
大阪日本橋のあたりに昔、宿屋町、というところがありました。
そこにある「紀州屋」をいう宿を一人のお侍が訪ねて参ります。
ウォッホン! ゆるせよ、
身共は明石の藩中にて万事世話九郎(ばんじせわくろぉ)と申す者じゃが、
前夜は岸和田城下にて宿を取ったところ、狭い部屋に大勢泊まり合わせ、
夜通し、経を読むものあり、ご詠歌を上げるものあり、いちゃいちゃするものあり、
寝られんかった。今宵は静かな部屋へ案内いたせ。
と、番頭、伊八に心づけをわたし、2階へ上がりました。
そこへあとから、やかましゅういうてやってまいりましたのが
源やんこと源兵衛、清やんこと清八、喜ぃ公こと喜六の3人連れ。
こともあろうに最前のお侍の隣の部屋へ通ります。
これが芸者を上げて、わぃわぃわぃわぃお賑やかにやっておりますと
先ほどのお侍、「伊八ぃ~~伊八ぃ~~」と番頭を呼びます。
わしは静かな部屋を、と申したのにこのありさまはなんたることか!
と叱られ、伊八は「どうぞ、お静かに」と言いに行きますが
そんなことを聞く御仁ではございません。
「なんじゃい、なんじゃい、お静かがよかったら芸者あげる前に言わんかい!」と強気。
そこを、むこうはお侍様ですぞ。と何とかなだめ、
3人、いったんは布団をひいたものの、相撲の話になってまたどたんばたん。
そしたらまた、「伊八ぃ~~伊八ぃ~~」の声。
伊八は、「どうか、お静かに。」と隣にお使い。
3人は、相撲の話はいかんな、そんなら、色事の話でもしょうか、
ということで源やんが語りだす。
小間物屋の源やん、高槻藩の小柳彦九郎様のお屋敷にいったところ、
「これわこれわ小間物屋、今日は旦那殿は留守なり、
女中どもは皆宿下がり、わらわ一人が徒然(とぜん)の折、ちとそなたに誂え
のしたいものがある。どぉぞこちらへ上がってたも」と奥方がじきじきにでてきよった。
奥方の勧めで奥へ通り、酒を呑み、
「そなたを一目見た最初から、ても良い殿御と、思いそめ・・・・」
という奥方の口説きに負けて、いちゃいちゃ。
そこへきたのが、殿の弟、大造という家中きっての遣い手。
「やぁやぁ、姉上には淫ら千万、
不義の相手は小間物屋、そこを動くな」とばかり、刀を抜かれ、
源やんは、庭に転がり出たところ、追いかける大造がすべって転んで、
刀が源やんのところへ飛んできたがな。それを持ったらもうあとは無我夢中。
大造を切って捨て、
しかし、奥方は
「こうなってはここにはおれぬ。この金子を持って連れて逃げてたも」
とばかり追いすがる。
女連れでは逃げることもままならぬ、と奥方も手にかけ、
わいは金子だけ持って逃げたがな・・・・
色事するんやったらこれぐらいのことはせんとな・・・・という話にあとの二人は感心し、
「源やんは色事師、色事師は源やん、源やんは色事師~~~♪」と言っているところへ
伊八ぃ~~伊八ぃ~~
またかいな、わい、この呼び声にうなされるわ。と言いつつ、伊八は来る。
「それがし、万事世話九郎と名乗ったが、まことは高槻藩家中の小柳彦九郎。
今宵、ここで、妻と弟の仇に出会うことが出来た。
いや、めでたし。」
「それはおめでとうさんで。それで、その敵の名は?」
「隣りの部屋に泊まり居る源兵衛と言えるやつ。妻、弟の敵に間違いなし。
今宵踏み込んで仇を討とぉ!!」
伊八は隣の部屋へまっしぐら。
「もし、この中で、源兵衛とおっしゃるお方は?」
「こいつやで~~この色事師や!人二人殺して・・・・」
「しぃxxxxxxxxxxxxっぃ!、隣のお方、その高槻藩の小柳彦九郎といぅお侍でっせ。」
「なんやて~~?!!」
「今宵、仇を討つ、いうて、いうてはりまっせ。」
「ええ~~なんやて!こわぁ~~~
うそや、うそや、この間、耳にした話を自分のことみたいに言うただけや
うそや、いうて、言うてきてえな・・・」
「もし、お侍さん、全部嘘や、あれは人から聞いた話や、いうていうてますが・・」
「黙れ、黙れ、黙れ! 嘘などとは卑怯未練なやつ。猶予はならん、これへ
踏み込んで討つ」
「しばらく、しばらく、しばらくおまちを。手前どもの宿で血が流れた、ということになりますと
後々の商売にも差し障ります。どぉぞそこのところをお含みの程を……」
「ん~ん……、さよぉであった、しからば斯様(かよぉ)いたそぉ。
明朝正巳の刻、日本橋に於いて出会い仇といたそぉ。
それなら当家に迷惑もかかるまい。
喜六、清八の両名も、ついでじゃ邪魔臭い、三人ともズバッといてしまお。
それまであの三名の命しかとその方に預け置くぞ、
一人(いちにん)たりとも逃がしなば、家内中撫切りじゃ、左様心得。」
これを伝えて、当の3人。もう大騒ぎでございますが
声を立てる段ではございません。
青菜に塩のごとく、しゅ~~ん、としまして物音もしなくなりました。
さて、明朝。3人の運命やいかに?